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遺留分侵害額請求とは
遺言書や生前贈与などにより遺留分(最低限の取り分)が侵害された時に、侵害された分の金銭を請求することをいいます。
遺留分の基礎知識

遺留分侵害額を請求できる人・できない人
配偶者、子(代襲相続人を含む)、直系尊属(親、祖父母など)には遺留分が認められているので遺留分が侵害されたら請求できますが、兄弟姉妹については遺留分は認められていないため遺留分侵害額の請求はできません。
遺留分が問題となる典型的なケース
例えば、子が複数いる場合に、遺言書により、1人の子に全ての財産を相続させるとされている場合が典型的なケースです。
代表的な遺留分の割合

遺留分の割合
遺留分の割合は、原則として法定相続分の2分の1です。もっとも、相続人が直系尊属のみの場合には、法定相続分の3分の1となります。各相続人の具体的な遺留分は、この割合をもとに算定されます。
遺留分算定の基礎となる財産
遺留分は、被相続人が相続開始時に有していた財産に、一定の生前贈与を加算し、債務を控除した金額を基礎として算定されます。
相続開始時の財産
死亡時に被相続人が有していた預貯金、不動産、株式等の財産です。
加算される生前贈与
一定期間内にされた生前贈与等が加算される場合があります。
控除される債務
借入金、未払金、未払いの税金等、被相続人が負っていた債務は控除されます。
遺留分額と遺留分侵害額の違い
実際に請求できる「遺留分侵害額」は、上記で算定した「遺留分額」そのものとは限りません。遺留分権利者がすでに遺贈や特別受益を受けていたり、相続によって一定の財産を取得していたりする場合には、その分が差し引かれるためです。
具体的には、民法第1046条第2項により、次のように算定されます。
遺留分侵害額 = 遺留分額 - 遺留分権利者が受けた遺贈・特別受益の価額 - 遺留分権利者が相続により取得する財産の価額 + 遺留分権利者が承継する相続債務の額
そのため、遺留分が認められる相続人であっても、すでに相応の生前贈与等を受けている場合には、遺留分侵害額が生じない(またはごく少額にとどまる)ため、請求できない、あるいは請求できても見込んでいた額より少なくなることがあります。
遺留分侵害額の計算例
例えば、相続財産が1000万円、法定相続人が長男と次男のみである場合で、遺言書により長男が全財産を取得した場合、次男は250万円につき遺留分侵害額請求をすることができます(計算式:1000万円×1/2×1/2)。
【生前贈与を受けていた場合】
相続財産が1000万円、法定相続人が長男・次男のみで、遺言により長男が全財産を取得したケースで、次男が生前に200万円の贈与(特別受益)を受けていたとします。
遺留分算定の基礎財産:1000万円+200万円=1200万円
次男の遺留分額:1200万円×1/2×1/2=300万円
受けた特別受益200万円を控除:300万円-200万円=100万円
この場合、次男が請求できる遺留分侵害額は300万円ではなく100万円となります。仮に受けていた特別受益が大きければ、侵害額がゼロとなり請求できないこともあります。
遺留分侵害額請求の流れ

遺留分が侵害されているか確認する
相続人関係、遺言書、財産資料などを確認し、遺留分が侵害されているかを確認する必要があります。
配達証明付き内容証明郵便で請求する
遺留分侵害額請求には時効があるため、まずは配達証明付き内容証明郵便により、遺留分を請求する意思を明確に通知することが一般的です。
遺留分侵害額請求の期限

1年の消滅時効
遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が、「相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時」から1年間行使しないときは、時効によって消滅します(民法第1048条前段)。
10年の除斥期間
遺留分侵害額請求権は、相続開始の時から10年を経過した時は消滅します(民法第1048条後段)。
遺産分割を弁護士に依頼するメリット

煩雑な手続きを任せられる
戸籍収集、遺産調査、内容証明郵便の作成など、煩雑な手続を弁護士に一任できます。
遺留分侵害額の複雑な計算を任せられる
遺留分侵害額は、単純でない場合も多く、複雑な計算になることもありますが、そのような場合でも弁護士に一任できます。
時効に対する配慮
遺留分侵害額請求には時効があるため、弁護士が適切な時期に内容証明郵便を送付し、権利行使を行います。
調停・訴訟まで一貫して対応できる
協議で解決できない場合でも、引き続き弁護士が調停や訴訟まで対応します。調停や訴訟については弁護士が代理で出廷することも可能です。


